【映画】2018年に観た映画
長らく更新をさぼっておりましたが、2018年は人生の中でもっとも映画作品を鑑賞した1年でした。時系列にまとめると、
2 シアター・プノンペン
3 イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
6 ボーダーライン
8 善き人のためのソナタ☆
11 STAND BY ME ドラえもん
12 トゥームレイダーファースト・ミッション
13 シング・ストリート 未来へのうた
14 ヒトラー~最後の12日間~
15 はじまりのうた☆
16 ザ・サークル
17 ジュラシック・ワールド 炎の王国
18 万引き家族
19 街の灯
20 インターステラー
21 スウィート・カントリー
22 50回目のファーストキス
23 友罪
24 プーと大人になった僕
25 ガタカ
26 ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
29 ドリーム☆
30 gifted/ギフテッド
31 グッバイ・クリストファー・ロビン
32 ハドソン川の奇跡
33 オーシャンズ11
34 エレファント・マン
36 リベリアの白い血
37 ボヘミアン・ラプソディ
ベスト3を挙げるなら以下。
3位:はじまりのうた(2013/アメリカ)原題:Begin Again
―音楽がつまらない日々や景色に彩りを与えることを教えてくれる映画
2位:善き人のためのソナタ(2006/ドイツ)原題:DAS LEBEN DER ANDEREN
―自由を求める東ドイツの作家と、彼を監視する国家保安省の役人のお話。映画タイトルに込められた意味がラストでわかる。静かで美しい映画
1位:ドリーム(2016/アメリカ)原題:Hidden Figures
―1960年代に、NASAに勤務した優秀な黒人女性3人のお話。NASAでさえ、女性・黒人への偏見は大きい。それでも彼女らが宇宙開発へ携わる夢を叶えていく。明るく困難を乗り切る姿に勇気をもらえる映画。
映画は日々を豊かにしますね。
ありがとうございました。
【本】人口減少の未来学
内田樹氏を編者とした12人の論考集
この週末は、日本の未来を考えるをテーマに落合陽一氏の『日本再興戦略』と本著を読んだが、12人が力を合わせても落合氏に叶わない印象だった。本著の編者とタイトルは以下の通り。
- 序論 文明史的スケールの問題を前にした未来予測 内田樹(思想家)
- ホモ•サピエンス史から考える人口動態と種の生存戦略 池田清彦(生物学者)
- 頭脳資本主義の到来-AI時代における少子化よりも深刻な問題- 井上智洋(経済学者)
- 日本の"人口減少"の実相と、その先の希望-シンプルな統計数字により、「空気」の支配を脱する 藻谷浩介(地域エコノミスト)
- 人口減少がもたらすモラル大転換の時代 平川克美(実業家•文筆家)
- 縮小社会は楽しくなんかない ブレイディみかこ(保育士•コラムニスト)
- 武士よさらば-あっかくてぐちゃぐちゃに、街をイジル 隈 研吾(建築家)
- 若い女性に好まれない自治体は滅びる-「文化による社会包摂」のすすめ 平田オリザ(劇作家•演出家)
- 都市と地方をかきまぜ、「関係人口」を創出す 高橋博之(『東北食べる通信』編集長)
- 少子化をめぐる世論の背景にある「経営者目線」 小田嶋隆(コラムニスト)
- 「斜陽の日本」の賢い安全保障のビジョン 姜尚中(政治学者)
まずテーマずれてませんか?
と、思ってしまう論考が半分くらい。「人口減少社会の未来について、いろいろな視点からの知見をまとめた本を編みたい」という文藝春秋の提案からはじまった本だと冒頭に記されているが、果たしてその目的は果たされているのだろうか?と、思わざるを得なかったというのが、正直な感想。みな、人口減少社会の未来への提言というより、ご自身の専門領域でイイタイコトを、"人口減少"というテーマと関連づけて述べた、という感じの印象の本だった。これだけたくさんの論者が集う訳だから、もう少し、課題設定をシャープに絞り込んでまとめた方が一つの本としてはまとまりが出たと思う。もちろん、ところどころに、「おっ」と思う記述や、「なるほど」と思う記述もある。たとえば、25〜39歳の人口数と0歳〜4歳までの人口数の比率を都道府県別に比較した、藻谷氏の「次世代再生力」という概念や、ゲゼルシャフト(利益共同体)やゲマインシャフト(地縁血縁型共同体)には含められない、それらの共同体の間の概念としての、平田氏の提示する「関心共同体」という概念など、今後の未来社会を占う上でのキーとなりそうな考え方を吸収するという意味ではよかった。が、先に触れたように、当初のテーマ設定から離れた論考が目立った印象は拭えなかった。
と、いうことで☆は3つもいかないかな(満点÷つ)。
【映画】ヒトラー〜最期の12日間〜
1945年4月、ベルリンの地下壕で過ごすヒトラー最期の12日間の物語
2時間30分を超える長い映画のほとんどが、地下壕のシーンです。ときどき地上のシーンもあるものの、ベルリンはこの時すでにソ連軍に包囲されているため、銃撃•砲撃は日常茶飯事。つまり、暗い訳です。いろいろとこの第二次大戦に関わる映画を見てきましたが(戦場のピアニストとシンドラーのリストが、僕の中での2大トップ)、意外とドイツ側を主体者として描く映画って見てなかったなと。いつもドイツ兵って無慈悲で無表情で、情け容赦なくユダヤ人を撃つのだけど、翻って今回はそのドイツ側の物語です。いや、別にドイツ兵、というかドイツが国家として犯した過ちを擁護する意図は一切ありませんけれども、この映画からは組織としての体をなさなくなっていく(既になっていた?)ドイツ側の苦悩もとてもよく感じることができました。邦題はヒトラーの最期の12日間ではありますが、同時にそれは、ヒトラーを支え、ドイツを支えた人びとの最期の12日間でもあります。この時期、ヒトラーは、明らかにまともな意思決定ができる状態ではなくなっています。映画でもときどき、部下の将校が起きている悲惨な事態•事実をもとに諫言を行うのですが、ヒトラーが聞く耳を持つことはありません。リーダーとしての意思決定がおかしくなると、いかに組織がおかしくなっていくかを感じさせられました。
ヒトラー側近の女性秘書の語りをもとに構成された映画だけあって、リアルな最期の12日間が描かれているのではないかと思います。
【映画】シング•ストリート 未来へのうた
80年代•ダブリン青春バンドの物語
いやーGWしょっぱなからいい映画に出会った♪多忙によりぜんぜん映画見れてなかったけど、やっぱこういう映画に出会うと、時間つくってもっと観たいと思えるな。舞台は80年代のアイルランド•ダブリン。勉強不足でこの時代のダブリンの社会がどんなか知らなかったけど、イギリスへの憧れをみんな持ってた時代みたい。経済も苦労していて、出てくる登場人物はみんなどこかでそういう時代背景の影響を受けてる。でも、いや、そんな時代だからこそか、即興で生まれた高校生バンドの歌が響くんだな。前へ前へ前へ進め!って言って、最後は主人公の男の子は1つ上の女の子と駆け落ちして船でロンドンに向かっちゃう。爽快!
田舎のラ•ラ•ランドっていうのは失礼か笑
この映画、シング•ストリートと名付けられたバンドの生み出す音楽がよいです。音楽を聴くためにストーリーを追っていると言ってもよろしいのではないかと思うくらいに。ラ•ラ•ランドでこういう音楽の映画よいなと思ったけど、これもまた良かったなー。耳心地がよくて、家で見終わったいまiTunesでサウンドトラック探してリビングに流してる。
映画のある人生は、よい人生だな。
シング・ストリート 未来へのうた - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks
【本】知性は死なない-平成の鬱をこえて-
新進気鋭の歴史学者が鬱の経験を経て新たな境地に
著者は与那覇潤氏。問題作?の『中国化する日本』の著者です。日本の歴史を、江戸時代的鎖国体制と中国化との揺り戻しとで捉える大胆な切り口が物議を醸したと思われます。そんな与那覇氏がここ数年、うつ病を患い、大学の教授職を退職していたことをネットニュースで知り、驚いて調べているうちに行き当たったのがこの本でした。いまはだいぶ回復されているそうですが、ひどい時期は図書推薦文の1行の言葉さえも書けなかったようです。あれだけ勢いのある若手学者だった氏をこのような状態にしてしまう環境ってどれほどの過酷さだったのだろうかと思ってしまいます。ただ、本書では氏の知性と天性の?文筆力は十分に発揮されており、読者を引き込む魅力は健在と感じることができました。
何の本かと聞かれると答えるのが難しい
目次を辿ってみますと、
と、なっており、氏がうつ病となって大学を休職するに至った経緯や、うつ病についての解説を挟みつつ、ビッグヒストリーを描く歴史学者ならではの大きな俯瞰図をもって、平成という時代を切り取り、語るという構成です。エッセイとも言えなくもない。かなり珍しい章立てです。ただ、僕は文体を楽しみました。挑戦的、扇動的だった『中国化する日本』に比べ、本書の氏の文体は所々の逡巡や葛藤のプロセスの中でことばを紡ぎ出していることが見てとれました。以前の著者を読んだことがある人であれば、こうした変化を感じることができるでしょう。おそらく、病気を経て氏の中で変化したものがあるはずです。いろいろな見方ができます。A or Bの分かりやすい論法が濁り、切れ味がなくなったと見る見方もあれば、以前のような単純化した思考ではこぼれ落ちていたものが拾え、著者の思考の柔軟性が広がったと見る見方もあるでしょう。僕は後者の立場です。何でもかんでも二分論で白黒つけていく世界が好ましいとは思えないから。迷いの過程をさらけ出すことから、人はその人間らしさが伝わり、信頼にたる人であると他者に伝えることができると思っています。その意味でこの本は、与那覇氏と読者との人間的な距離を縮めることに役立つということができるかもしれないと思いました。
でも『中国化する日本』も読み直してみようかな。
気づけば2ヶ月ぶりの読者録。実際、読者そのものも2ヶ月ぶりでした。期末、期初の仕事の多忙と、余暇を英語学習にかなり降ってることがあり、やはりそうすると本読んだり映画見たりする時間が失われていると、こうして気付きます。時間は有限だから難しいです。時間の使い方。
【映画】トゥームレイダーファースト•ミッション
爽快なアクションをひたすら楽しむ映画
で、でいいのかな?映画初心者、アクション映画なんてもっと初心者の僕からすると、そういう感想しかもてなかったのだけど。舞台はロンドン。主役が、 アリシア•ヴィキャンデル演じる大学生ララ•クラフト。行方不目の父から託された?メッセージを手がかりに、卑弥呼の眠る謎の島へ、父を探して入ってゆく。と、いうストーリーラインです。なんか細かいところとかはあんまり気にしてはいけないんのだと思った。だけど、スクリーンで見るアクションシーンはなかなかの迫力があって、それは爽快でありました。水や木々、炎が魅力的に映されていると思います。どうやって撮影しているのだろう。そして、主演のアリシア•ヴィキャンデル。彼女の表情と鍛え抜かれたボディが魅力的でした。彼女がいて、成り立ってる映画だと思うよ。
あまりいま自分自身のコンディションがよくないのでこのあたりで。。
【映画】STAND BY ME ドラえもん
いっしょにドラ泣きしません?
と、いうキャッチコピーから察するにこれのターゲットは大人だな?子どもの頃にドラえもんを見て育った世代の。そして僕はまんまとその狙いにはまり、日曜日の夜にこの映画を手にとったのです。やさしい気持ちにもなりたかったし。
昭和の時代だなって思った場面
① 暗記パン
→いまの時代だと、暗記だけじゃやってけなくて、藤原和博氏にしたがえば、情報編集力が必要な時代だから笑、暗記した知識•技能をどう活用するか?が、とても大切ですよね。いかにも暗記パンって時代を感じます。と、ガチで食いついてみました。
ちなみに文部科学省が次期学習指導要領改訂で示している学力の三要素は以下。
(1)基礎的・基本的な知識・技能
(2)知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等
(3)主体的に学習に取り組む態度
暗記パンで対応できるのは(1)のみですw
②ジャイ子と結婚して子どもがいる暗い未来
→これは少し説明が必要ですね。ストーリーとしては、怠け者でとりえのないのび太のままだと、ジャイ子と結婚し、ジャイ子に似た子どもたちに囲まれて、のび太は暮らすハメになってしまうと、4世代先の未来からやってきたのび太の玄孫?にあたる子どもが、のび太に忠告することから始まり、のび太を幸せにする=しずかちゃんとの結婚に道筋をつける、ことをドラえもんに託して帰っていくことから物語が動き出すのですが、これ完全に、結婚は当たり前の価値観ですよね。
いまの時代だと配偶者なし、子どもなしの方が当たり前に存在します。結婚業界の王様ゼクシィだって、結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私はあなたと結婚したいのですとキャッチコピー打つ時代です。ジャイ子と結婚することが不幸せの象徴かのような時代設定に、昭和を感じました。
と、こちらも本気で食らいついてみました。
涙は出なかったけど爽やかな気持ちに
ドラえもんかわいいし、みんなピュアだし、心が洗われましたね。さっき上で書いたようにいまの時代からすると倫理的に危ないんじゃないかとヒヤヒヤするシーンも比較的ありますが笑、ドラえもんだから許されますね。それで、のび太とドラえもんの友情には感動させられもしました。やりますね、大人世代をドラ泣きさせてくる作戦。秦基博氏の「ひまわりの約束」は挿入歌で使われるのかと思ってましたが、エンディングでした。途中で聞きたかったな〜と少し思いました。
今日はそんなところで。
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