Tokyo diary

本と映画の記録です

【映画】/イミテーション•ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

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時として誰も想像しないような人物が想像できない偉業を成し遂げる

 

と言って、主演のベネディクト•カンバーバッチ演じる天才数学者アラン•チューリングが、クロスワードパズルの天才、ジョーン•クラーク(演:キーラ•ナイトレイ)を暗号解読の仲間に誘うのだけれど、巡り巡ってこの言葉、最後にジョーンからアランに贈られる言葉です。

 

アラン•チューリングは、実在の人物。第二次世界大戦中、ドイツ軍の暗号エニグマを解読する機械を開発した方なんですね。しかし戦後、彼は同性愛の罪で逮捕され、その後、1954年に41歳の若さで亡くなります。2009年、当時のイギリス首相、ゴードン•ブラウンにより、以下のような謝罪がなされています。そんな方を映画にしたお話

 

数千の人々がアラン・チューリングのための正義と彼がぞっとする扱われ方をしたという認識を求めて集まった。チューリングは当時の法律に則って扱われ、時計の針は戻すことはできないが、彼に対する処置はまったく不当であり、深い遺憾の意を表す機会を得たことを我々全てが満足に思っている… イギリス政府とアランのおかげで自由に生活している全ての人々を代表し、『すまない、あなたは賞賛に値する』と言えることを非常に誇りに思う。

 

 

そういえば、イギリスは2014年にウェールズイングランド同性婚が合法化されていますが、そうすると英国政府のこのアランへの謝罪は合法化前ですね。2009年当時は、合法化前とはいえ、社会がじわじわと寛容になってきていたことが政府決断を後押ししたのかもしれません。

 

ちなみに世界の中で同性婚が合法化されている国はほかに、オランダ、ベルギー、デンマークポルトガル、スペイン、ノルウェースウェーデンアイスランド、フランス、アルゼンチン、南アフリカ、カナダ、ニュージーランド、アメリカ(一部州)がありますが、日本をはじめとするアジア諸国はゼロなんですよね。日本もはじめちゃったらいいと思うけどね。でもいろんなイシューが先立って優先順位上がってないんだろな。

 

さて、映画の話だが、うーん、どうだろう。淡々と話進むのと、謎解きのワクワク感はあまりなかった。

なんだけど、キーラ•ナイトレイが美しく、そして、彼女が演じるジョーンが、彼が同性愛者だと分かっても、哀しみのなかでアランを愛する姿勢が心洗われました。

 「あなたが普通じゃないから、世界はこんなにも、美しい」ってセリフが頭に残って。

 

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