Tokyo diary

本と映画の記録です

【映画】バトル・オブ・ザ・セクシーズ

2019年8作目。

妻が気になっていた作品ということで自宅で二人で鑑賞。

1970年代アメリカの有名女子テニスプレーヤーであるビリー・ジーン・キングの実話に基づくお話。主演はラ・ラ・ランドなどでおなじみ(?)のエマ・ストーン。メイクやファッションが時代を感じるテイストなっていて、同じエマ・ストーンとは思えないくらいです。

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女性の地位向上×LGBTがかけ合わさった意外なほどの社会派映画

 

予備知識なしに観たことで、より一層意外に感じたのかもしれませんが、勝手にスポ根系映画かと思っていたので、いい意味で期待を裏切られた感じではありました。

 

まず、当時の全米テニス協会はあからさまな男尊女卑であって、男子の大会と女子の大会の賞金の差は8倍。動員する観客や、そこから生まれる興行収入は同じなのに。そんな格差を目の当たりにしたビリー・ジーン・キングが、仲間の女子テニスプレーヤーと一緒に、独自の女子テニス大会を立ち上げて、反旗を翻すことから話は始まります。

 

もう一つのテーマがLGBT。ビリーは、偶然出会った美容師のマリリンと互いに惹かれあい、夫を持ちながらもマリリンとの関係を深めます。途中、夫は妻・ビリーとマリリンの関係に気づくのですが、それでもビリーを献身的にサポートする夫の心情に、僕は同情してしまいましたが、そこはともかく、ビリーとマリリンの関係の描写から、当時のLGBTに対するアメリカ社会の空気を感じることができます(今でも変わらない部分はあるのかもしれないけど)

 

いずれにしても、今っぽい映画だなーという感想です。ボヘミアン・ラプソディやムーン・ライトしかりなのですが、LGBTテーマの映画がまあ有り体に言えば流行っちゃ流行な感じはしますね。

 

と、多少シニカルに書きはしましたが、

 

時代は変わる。君がいま変えたように。いつか僕らはありのままでいられる。自由に人を愛せる時代が来る

 

と述べられるクライマックスシーンのセリフがこの映画の余韻をぐっと引き締める役割をはたしており、心に残るものがありました。自由を追い求めてきた歴史が人類の歴史だから。