【映画】その街のこども 劇場版
毎年1月17日が近づくと見たくなる
こども時代を実際に神戸で過ごした森山未來と佐藤江梨子が演じる男女が、引き寄せられるように神戸で出会い、酒を飲み、夜中の街を歩き、明け方の東遊園地で別れる物語。ただそれだけといえばそれだけ。2人ともそれぞれに傷を抱えているのだけど、夜中の街を歩くうちに、愛だとか恋だとかそういうのではなく、相互理解が進んでいく。演出がとてもよくて、毎年1月17日が近づくと観たくなってしまって今回が3回目。
この場所は私の聖地。絶対に嫌なことが起きない
みたいなことを、佐藤江梨子が話すシーンがあります。こどもの頃に遊んだ公園の一角を13年ぶりに訪れて。シートを並べて、亡くなった友達と、その家族と、自分の母親とおばあちゃんと、みんなでシートを並べてごはんを食べたときは、みんな幸せで、ふだん仲の悪い母親とおばあちゃんもそのときは笑顔で。と、いう。今回ここにグッときました。なぜだろう。それを彼女は聖地だと言った。きっとだれにだって、心のどこかにそんな場所あるよね。忘れないで、ときどき取り出して温めてゆければいいな。
今回も、ふたりの自然な演技と、美しい音楽に胸を打たれました。きっとこの映画は、毎年毎年見続けていくんじゃないかなと思う。